出産の記録その2

微弱陣痛が続く。
入院したらすぐ産まれるものと思ってたのに、24時間過ぎても子宮口は1cm。陣痛が弱くてお産が進まないなんて聞いてないよ。そして陣痛が弱くともおなかはちゃーんと痛いのです。
昨日とは別の女の子が研修でつくことになった。昨日の子は?と思ったらもう既に別の方のお産について、終わってしまったらしい。すみません、遅くて…と思う。そしてまた署名する。
(この実習生の女の子はとてもいい子で、元エステティシャンらしく、時々やってきてはわたしの足をマッサージしてくれたり足湯をしてくれたりした。)
診察。自宅で12分間隔になってから36時間経過したけど、おなかの子供は助産師さんに笑われるほどによく動いてて、「まだ出てきたくないのかなー?」なんて言われてる。おなかの子供がハイパー元気なので促進剤はまだ使わないことになる。それよりわたしの方が疲れてきてるよ。陣痛の合間に眠るのだけれども、起きる度に、眠る前よりも陣痛が弱まっている気がしてうまく眠れない。眠っても痛みですぐ目が覚めるし。
なんだかものすごく焦っている。おもてたんとちがうーってね。長くかかっても12時間くらいだと思ってたのにもう3倍って。そんな時に、看護学校の先生がわたしに言った。
「気を使いすぎてます。もっと、助産師やだんなさんを頼ってください。お母さんがリラックスしないとお産は進まないんですよ。」
涙が出た。それで、iPhoneを触るのも止めた。入院してからはアプリで陣痛の間隔を記録したり、陣痛について調べたりしていたのだけど、そのいちいちで落胆したり動揺してたから。
そしたらすごく、楽になった。

一回帰ったほうがいいのかなって朝からずっと思ってたんだけど、昼過ぎに診察されてもやっぱり開いてなかったし、夕方になっても状況に変化がないから、どうしよう帰るって言おうかって夫とひそひそしてたら下半身にものすごい違和感。破水だった。(帰れなくなったねって苦笑い。)

破水したからって子宮口は開いてくれないけど、陣痛の痛みは強くなってきてるし赤ちゃんが下に下がってる感じもするからお産は進んでるよねって自分で自分を元気づける。少なくとも昨日入院したときよりは全然痛いもんね。昨日の昼間のわたし、余裕だったな…って思ったり。(でも後から振り返るとこの時もまだ全然余裕。)

入院してからお通じがないので、おなかからの圧迫が赤ん坊かどうかいまいちわからなくなってきたのもこの頃。その旨を助産師さんに伝えたら「じゃあ浣腸してみる?」ってすんごいカジュアルに言われてびっくりした。結局浣腸初体験。(なるほどね…という感じで特に感想はなし。)ちなみにおなかからの圧迫は赤ちゃんでした。

夜になってから、夫が仕事に行くために離脱。一人になってみるとものすごく心細い。巡回に来た助産師さんに「すごくつらくなったらお呼びしてもいいですか…。」と尋ねてみたらOKの返事。ちょっとほっとする。
ほっとしたのもつかの間、ものすごい痛みがやってきた。これまでは陣痛が来るたびに夫におしりを押さえてもらって痛み逃しをしていたのだけれども、今は一人だから自分で尾てい骨辺りを押さえて耐える。でも1時間くらいで抑えきれなくなってナースコール。助産師さんじゃなくて看護婦さんが来た。ありー。しかもスルーされた!我慢してねって。助産師さんは…?って絶望するわたし。泣きながら夫にメールしたよ。
長い長い夜が過ぎていく。助産師さんは現れない。ナースコールしても、定期巡回も、やって来るのは看護婦さん。痛くて痛くて涙が出るけど耐えるしかない。夫が途中で戻ってきてくれて、安心して泣いた。